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仲介業者様向け

ここでは仲介業者様向けの業務についてより詳しい解説をしております。

とくに実務上のトラブルとなりやすい重要事項説明に関し,ご説明いたします。

重要事項説明

 不動産の売買契約,賃貸契約いずれの場合にも,宅地建物取引においての仲介業者様は重要な役割を果たされています。仲介業者様が取引の仲介をするケースでは,常に取引に宅地建物取引士が関与し,責任の所在が明らかとなり、公正・適切な説明がなされながら取引がなされますので,取引当事者間のトラブルは防止されています。

 他方仲介事業者様は,取引相手方に対し,宅地建物取引士によって一定の重要事項について重要事項説明書を交付し,説明する第1次的な義務を負いますので,取引に必要な範囲で物件の調査,私法上・公法上の権利関係や規制の調査、周辺との相隣関係、取引条件等を十分に調査したり確認したりしなければなりません。

 もっとも,自分に不都合なことは極力隠して高く売りたい,貸したいという心理が働く売り主・貸し主と,物件の欠陥や周辺事情などは正確に把握し,期待を抱いている買い主・借り主の間では,どのような事項まで説明しなければならないのか,説明しなければならなかったのかというのはとても繊細な問題です。

 重要事項説明の対象となる「一定の重要事項」は一義的ではないため,裁判例の集積を参照しつつ,適切に対応しなければなりません。

  《裁判例にご興味がある方は,具体的なケースを下記で触れていますので

      ご参照下さい》 

 適切な重要事項説明をしていても,たくさんの取引をしていれば,中には不本意にも,取引後に「聞いていなかった」,「知っていたら買わなかった」などと言われ,責任をとるように迫られるケースがあるかもしれません。

 そのような場合にも,当事務所では,不動産取引に精通した経験豊富な弁護士が,裁判例を踏まえ,具体的なケースについてのアドバイスをさしあげることができます。お悩みの仲介業者様は是非法律相談や顧問契約をご利用下さい。

 

 ☆重要事項説明でお困りの場合は当事務所の法律相談をご利用下さい。法人様からのご相談も無料に行っております。

信義則を根拠とする注意義務

不動産の売買契約について,直接の仲介契約を結んでいない場合には,不動産仲介業者としての重要事項説明義務が発生していませんが,一定の場合に顧客に対して重要事項説明義務とは別の注意義務を負い,その違反による損害賠償請求が認められている裁判例もあります。また,仲介契約に基づく情報提供以上に,仲介業者として信義則上の注意義務違反が認められるケースがあります。以下では若干ではありますが,事例をご紹介します。

まずは信義則上の注意義務違反が問題となるケースです。

  1. 契約締結段階における注意義務(移転先の計画についての情報提供のケース)

    たとえば東京地裁平成19年2月20日判決(平成17年(ワ)第18501号損害賠償請求事件)では,移転先の店舗の紹介を依頼された不動産業者が,店舗建築計画がある物件を紹介したものの,店舗建築計画が取りやめになってしまったため,移転の話もなくなってしまったケースです。不動産業者の対応によって,依頼者が,店舗建築計画が確実なものと信頼し,他の物件を断り,仮店舗を借りるなどしていたことで争いとなっています。

    裁判では,仲介契約の成立は認定されていませんが,不動産仲介業者には相手方の合理的な期待を裏切らないように対処すべき注意義務があり,それに違反したとして143万円(仮店舗移転の費用相当の損害)ほどの請求が認められています。

    裁判例は個別のケースに対する判断ですので,裁判例で認定された諸事情も考慮する必要がありますが,上記の裁判所のした争点に対する判断のポイントとしては,依頼者の期待をもつに至った経緯において,依頼者が賃借の確実性について問い合わせた際に,不動産仲介業者が店舗賃借は「不確実な話であることを認識していたのに,否定的な話はせず」,むしろ貸主予定者を説得するからと依頼者を安心させるような話をし,依頼者が賃貸借の成立がほぼ確実であると認識するに至っていることが指摘されています。

    不動産仲介業者としては,仲介契約を成立させる方向で営業活動を進めていたいはずですから上記のような不動産業者の対応も十分に理解できるものと思います。ただ,上記のような裁判例があるということを前提とすれば,不動産業者としては,依頼者が不確実性による不利益をできるだけ認識できるように情報提供をしなければならないということになります。

    期待どおりに進まなかった場合のプランも併せて提案するなど,不動産業者として上記のような紛争のリスクを下げる対応が期待されているということになりそうです。

  2. 直接の仲介業者でない場合の注意義務(物件に関する情報提供のケース)

    東京地裁平成20年3月13日判決(平成18年(ワ)第10495号損害賠償請求事件)では,4410万7926円の請求が認められています。

    裁判例は,双方別の仲介業者の仲介により成立した建物賃貸借に関し,工場として使用する目的で賃借したのに,建築基準法に照らし本件建物を工場として使用することができないことが判明し,損害を被ったとして,相手方仲介業者に対して注意義務違反を理由とする債務不履行による損害賠償を請求したケースです。

    争点は,①直接の契約関係にない相手方当事者に対して仲介業者が建築基準法上の事項について告知する義務があったか否か,また②告知義務の違反があった場合の損害額でした。

    告知義務について,裁判例では,不動産仲介業者は,直接の委託関係はなくても,これら業者の介入に信頼して取引をなすに至った第三者一般に対して,信義誠実を旨とし,権利者の真偽につき格別に注意する等の業務上の一般的注意義務がある(最高裁判所第2小法廷昭和36年5月26日判決民集15巻5号1440頁)から,不動産仲介業者としては,委託を受けない当事者の有する,仲介の対象である賃貸借契約の目的物の使用目的を知り,かつ,賃貸借契約の目的物がその使用目的では使用できないことを知り,又は容易に知り得るときは,賃貸借契約を締結しても目的を達し得ないことを告知すべき義務があるとしました。

    同裁判例では,建築基準法上,第1種低層住居専用地域内においては,原則として工場を建築することができない(建築基準法48条1項本文)ことは,宅建業を営む者としては当然知り得ることであるから,そこで,被告が原告が本件建物をクリーニング工場として使用する目的を持っていたことを知っていたとして,注意義務違反による損害賠償が認められています。

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周辺事情についての説明義務

東京地裁平成25年7月22日判決(事件番号平24(ワ)31925号損害賠償請求事件)では,賃借した者(原告)と仲介業者(被告ら)に,本件貸室に騒音問題があることを説明すべき義務に違反したかが争われました。

裁判例では,賃貸借契約の締結ないし重要事項の説明に先立ち,貸室及び同貸室がある建物を見分してライブハウスの存在を認識し,情報技術,音楽及び語学に関わる教育事業等を目的とする会社で本件貸室においてTOEFLやIT関係の試験を実施しようとする業者として有し又は少なくとも有すべき知見を活かす機会があった原告からの請求であったところ,本件貸室内において本件ライブハウスからの演奏が聞こえるか否かの確認・調査を求められてもいない場合に,被告らにおいて,進んで同確認・調査を行いその結果を説明すべき注意義務を原告に対して負っているとは認められないとされました。 

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