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職場でのハラスメント~その3~(弁護士毛塚衛)

 今年も残りわずかとなりました。私は今年、コラムにおいて「パワハラ」、「セクハラ」についてとりあげてきました。

 「セクハラ」「パワハラ」という言葉は聞いたことがあるけれど、どこまでいくと問題なの?と思っていた企業の経営者の方や、会社の従業員の方が、私が書いたコラムを読んで「これはセクハラなんじゃないか?」「これはパワハラかも」と考えるきっかけになって頂けたら幸いです。

 さて、職場でのハラスメントの締めくくりとして、①実際にハラスメントにあったらどうすればいいの?②ハラスメントの申告があったら企業はどうすればいいの?③ハラスメントの存在が認められたら、企業や加害者はどのような責任を負う可能性があるの?という疑問にお答えしたいと思います。

 まず①についてですが、職場でハラスメントの存在が発覚するきっかけは、「被害者が声をあげた」ということがほとんどです。考えてみれば当たり前の話で、セクハラであれば密室で2人きりのときになされることが多いし、パワハラであれば加害者は基本的に自分の言動・行動がハラスメントであるという自覚をしていないからです。

 そこで、自分がハラスメントを受けていると感じたら、加害者に対して抗議をしたり、加害者の上司に対し相談をしたりしましょう。このときの抗議はICレコーダー等で録音し、上司への相談も形に残るようにメールや書面で行いましょう。

 ハラスメントの問題は、裁判になった際に「当時、相手は嫌がっていなかった」「当時、企業が被害の申告を受けた事実はない」といった反論が出ることが多く、被害の立証が非常に難しいことが多いです。録音した音声データやメール・ラインの履歴は被害者の主張を補強する重要な証拠になりますのでしっかりと証拠として保存しておきましょう。

 ②の回答として、企業は被害者からの申告があった場合には、申告を放置することなく速やかに事実関係の調査を行うなどの対応が必要です。

 企業が従業員からの被害の申告を放置したり、怠慢な調査を行ったりするなどの不適切な対応をすることは、その行為自体が安全配慮義務違反とされ、被害者からの損害賠償請求を受けることにもつながります。

 ③については、ハラスメントの存在が認められた場合、直接の加害者は、就業規則違反としての懲戒処分、被害者に対しての民事上の不法行為責任、態様が刑法上の強制わいせつ罪や暴行罪と判断される場合には、刑事上の責任等を負うことになります。

 また、企業も使用者として不法行為責任、使用者責任、安全配慮義務違反として債務不履行責任を負うことが考えられます。

 これまでの話をまとめると、①に対する回答として、被害者はいきなり訴訟ではなく、弁護士などの専門家に相談しながら、しっかりと証拠を固めることが必要です。②企業としては、上述の責任が発生しうるので、被害の申告を放置せずに、調査などの適切な対応をとり、責任を最小限に抑えることが大切になります。③の段階まで至ってしまった場合には、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

(平成29年12月25日)

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