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任意後見制度について(弁護士毛塚衛)

 今回は「任意後見制度」を取り上げます。以前、須田弁護士が「後見制度」のコラムを執筆しておりますので、こちらもご一読下さい。早いもので平成も30年を迎え、高齢化が進み続ける現代において、「成年後見」、「後見」という言葉を耳にする機会は以前よりも増えたのではないでしょうか?

 内閣府が公表した平成29年版高齢社会白書によれば、日本の総人口は平成28(2016)年10月1日現在、1億2693万人、日本の総人口に占める65歳以上の人口の割合(高齢化率)は27.3%と発表されています。

 高齢者について細かく分析すると「65~74歳人口」(前期高齢者)は1768万人、総人口に占める割合は13.9%、「75歳以上人口」(後期高齢者)は1691万人、総人口に占める割合は13.3%と、日本の人口の約3割が高齢者という状況になっています。

 また、65歳以上の認知症高齢者数と有病率の将来推計についてみると、平成24(2012)年は認知症高齢者数が462万人と、65歳以上の高齢者の約7人に1人(有病率15.0%)の割合でしたが、平成37(2025)年には約5人に1人になるとの推計も出ているところです。

 認知症のなかでも特に患者数の多い、アルツハイマー型認知症の難しいところは、本人に「認知症」という自覚がないまま症状が進行していくところではないでしょうか。周りの家族や福祉関係者が何かおかしいぞ?と思い病院での検査を薦めても、「年だから物忘れするようになっただけで、認知症じゃない。病院にはいかない。」などと頑なになってしまう方も多いと聞きます。

 「任意後見制度」は、平成11(1999)年の成年後見法改革に際して、本人の自己決定の尊重と本人の保護との調和を図る観点から新たに導入されました。本人に判断能力が備わっているうちに、認知症等で判断能力が低下してしまった場合に備えて、あらかじめ自分の信頼できる人に、財産管理等を委任する制度です。

 自分が元気なうちに、万が一のことを考えておくという点では、遺言と似ている制度と言えるのかもしれません。遺言が一定程度社会に認知されているのに対して、認知症という病気は浸透しているものの、その備えの手段の1つである「任意後見制度」はあまり知られていないように思います。

 ポイントとしては①本人が自由に任意後見人を選べること②家庭裁判所が任意後見監督人を選任するため、任意後見監督人が本人に不利益な財産処分をすることの抑止効果があるという点です。

 認知症が特別な病気でない以上、将来のことを考え、ご自身の財産の管理や身上監護を誰にお願いするかを自分がしっかりしているうちに決めておきたいという方には、任意後見制度の利用を考えてみることをおすすめします。

(平成30年3月30日)

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