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役員の退職 その1(弁護士薩川智結)

企業の役員が退職するとなった場合にどうするかと問題となるのは,①保有する会社の株式,②会社の負債に対する連帯保証,③役員退職金などがあります。

今回のコラムでは③役員の退職金について見てみたいと思います。

役員は,株主総会で選ばれて就任した取締役,執行役,会計参与,監査役をいうのが一般的です。

役員への退職金の支給の根拠は,基本的には定款,もしくは株主総会決議となります。実際は,定款で予め退職金について定めを置いていることは少ないと思いますので,株主総会で決議が支給の根拠になることが多いと思います。

株主総会での決め方としては,次のような2つのパターンが一般的です。

①役員退職慰労金の支給総額は,株主総会で決議し,個々の支給金額や時期など詳細は取締役会に一任する

②役員退職慰労金規程(あるいは慣行)に従って,相当額の範囲内で役員退職慰労金を贈呈することし、その具体的金額及び贈呈の時期・方法等の決定は取締役会に一任する

退職金の金額については株主総会の決議等で定められた範囲内で支給ができます。ただ,税務上,役員報酬が適切部分は全額損金に算入されますが,不適切部分は損金に算入されません。金額が適切かどうかは,業務に従事した期間,退職の事情,同業種・同規模の他社の役員退職金などによって判断されます(功績倍率については,過去に裁判で争われていることもあり,高すぎる場合には注意が必要です。)。退職をいつにするかという判断はとても難しい問題です。実質的に引退していないことで役員退職金そのものを否認されてしまうと,退職所得としての税制が使えなくなります。そのため実質的な引退の時期を熟慮されたうえで判断されることがとても大切です。

また,退職が死亡退職となるケースもあります。死亡退職される方が一代で会社を築かれた初代社長で,しかも大半の株式が相続の対象となってしまうようなケースでは,株主総会が開催できない状況さえ起こりうることです。役員退職慰労金規程を定められていない場合には,予め作成さえることをお勧めします。

(平成30年9月19日)

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