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身近な法律入門(コラム)

身近な法律入門(コラム)

こちらでは当事務所のメンバーが身近な法律の話題をとりあげています。ほんのちょっとためになるようなことを書かせていただきますのでどうぞご参考になさってください。(※コラムの内容は執筆当時の法律・判例を前提としています。)

相続民法改正「配偶者居住権」について(弁護士國澤絵里)

平成30年3月13日、政府が相続に関する民法の改正案を閣議決定しました。

改正よって新設される予定なのが「配偶者居住権」です。

「配偶者居住権」とは、亡くなった方の配偶者が相続開始時に居住していた建物に住み続けることができる権利です。

高齢化の流れを受けて、残された配偶者(夫や妻)が生活に困らないように、自宅や生活資金を確保しやすくするのがその狙いです。

 現行の民法によると、自宅の土地や建物が主な相続財産である場合、残された配偶者が自宅に住み続けることができなかったり、生活資金が確保できなかったりするケースがありました。

そこで、「配偶者居住権」を新設し、残された配偶者が亡くなるまで住むことを認めることによって、配偶者の経済的な安定を図ることが検討されています。

 具体的な例でみてみます。

夫が亡くなったケースで、残された家族が妻、子ども2人、夫の相続財産が、土地と建物(2000万)と預貯金1000万の合計3000万円だとします。

この場合、妻(配偶者)の法定相続分は2分の1であり、残りの2分の1を子どもたちが等分に分けますので、子どもが2人だとすると4分の1ずつということになります。

 

   自宅  2000万円

 + 預貯金 1000万円

   合 計 3000万円

 

遺言がない場合、妻の相続分を計算すると3000万円の2分の1で1500万円となります。そのため、妻が自宅(2000万円)の土地・建物の「所有権」を相続して住み続けることを望む場合、

自宅2000万円-法定相続分1500万円=500万円

となり、500万円分が超過していることになり、超過分の500万円を子ども達に「代償金」として支払うことになります。そのため、手持ちの金銭がない配偶者場合には、自宅を確保できず転居や自宅売却を余儀なくされることや、仮に自宅を確保できたとしても、手持ち資金が乏しくなり老後の生活資金に困るといったことがありました。

新設される「配偶者居住権」の評価は、平均余命などを基に算出され「所有権」よりは低額の評価になるため、配偶者の預貯金などの取り分が増えることになります。また、高齢である程、評価が低くなります。この配偶者居住権は、配偶者が亡くなるまで継続するもので、原則として譲渡ができません。

 この他にも、今回の改正では、婚姻期間が20年以上の夫婦の場合に、配偶者が生前贈与や遺言で譲り受けた住居は、原則として遺産分割の計算対象とみなさないとする規定も設ける予定となっています。先ほどの配偶者居住権と同様、残された配偶者の生活を保護するための規定です。

(平成30年4月16日)