トラブルで現行犯逮捕。前科を避けるには?

2025/06/18

お悩みさん

44歳の男性です。

先日、駅構内で見知らぬ男性とぶつかって言い合いになり、つかみ合いの末、思わず突き飛ばしてしまいました。

相手の男性は壁に頭をぶつけて出血し、たまたまその場に巡回中の警察官がいたため、私は現行犯で逮捕されて取り調べを受けました。その後、検察庁に送致されている状況です。

現在、検察官や警察官から取調べを受けておりますが、自身の経歴に前科をつけたくないです。なんとか不起訴処分にできないでしょうか。

弁護士

それは大変でしたね。

現状の整理と、今後どう動くべきか、ひとつずつお話ししていきましょう。

逮捕される場合とは

弁護士

本件は、「突き飛ばす」という暴行により相手男性に怪我を負わせていることから、傷害罪に該当します。本件のように警察官が当該行為を目撃(現認)した場合には、現行犯逮捕されることになります。

また、仮にその場に警察がおらずとも、相手の方が被害届を出した場合、警察の捜査により後日逮捕される場合もございます。

逮捕後は、刑事施設で留置され(最長72時間)、検察庁に送検された後に検察官が勾留請求した場合、10日間の勾留(追加で10日間、最長合計20日間)をするか裁判所が判断をします。

弁護士

逮捕された場合、弁護士との接見(面会)を希望すれば、弁護士から権利の説明や今後の刑事手続きの流れの説明を受けることができます。

なお、逮捕後には、無料で1回、弁護⼠を呼んで相談することができる制度がございます。

これを当番弁護⼠制度といい、派遣される弁護⼠を「当番弁護⼠」といいます。

当番弁護⼠の派遣は、本⼈だけでなくご家族でも依頼することができます。

本⼈が当番弁護⼠の派遣を依頼する場合は、警察官、検察官または裁判官に「当番弁護⼠を呼んでください。」と伝えてください。ご家族が当番弁護⼠の派遣を依頼する場合は、逮捕された場所を管轄する弁護⼠会に電話をしてください。

そのうえで、不起訴処分に向けた手段を講じるなど、今後の対策について早期の段階で弁護士に相談することをお勧めいたします。

お悩みさん

逮捕されてすぐに弁護士さんに相談するといいのですね。

不起訴になる可能性はあるか

お悩みさん

逮捕後でも不起訴になる可能性はあるのでしょうか?

弁護士

はい、あります。
本件は勾留請求をされた前提で考えますと、検察官は、原則として10日間(延長が認められれば最大20日間)の勾留期間の間に、起訴するか不起訴にするかを判断します。

なお、勾留請求をせずに在宅事件として、起訴不起訴の判断をする場合には、一定のお時間(数週間から数ヶ月など)がかかるケースがございます。

不起訴処分に該当すれば、原則として身体拘束から解放されることになります。

なお、不起訴の典型例としては、被害者がいる事件で示談が成立している場合などがございます。

お悩みさん

検察官の判断にはどんな要素が影響するんですか?

弁護士

検察官の判断には一定の裁量がありますが、たとえば以下のような点が重要な判断材料になります。

  • 前科前歴があるかどうか
  • 犯罪の重大性(本件の場合、怪我の程度や犯行態様の悪質性で判断されます。)
  • 被害者との示談が成立しているか

示談の進め方はどうするべきか

お悩みさん

示談の成立も関わるのですね。

しかし、私はいま勾留されていて相手に会うこともできません。

示談はどうやって進めればよいのでしょうか?

弁護士

弁護人を選任することにより、弁護士が代理で示談交渉を行います。

示談では、示談金の支払いや今後の被害者との接触を避けることなど、具体的な条件を話し合って合意を目指します。

示談金の支払いについても弁護人がご親族と連絡の上で支払原資を準備して対応することになります。

弁護士

今回のようなケースでは、犯行の内容や怪我の程度にもよりますが、示談の成立は不起訴処分を得るうえで非常に重要です。

軽微な暴行や傷害事件であれば、示談によって不起訴になる可能性は十分にあります。

民事訴訟の可能性

お悩みさん

なるほど。
ちなみに、刑事で不起訴になれば、もう終わりなんでしょうか?

弁護士

いいえ。刑事事件とは別に、民事上の損害賠償請求をされる可能性があります。

暴行や傷害の行為は民事上の「不法行為」に該当しますので、被害者が損害賠償を求めて民事訴訟を起こす可能性もあります。

もっとも、刑事事件における示談において、民事の損害賠償を含めた和解をすることも可能です。このように、民事事件を含めて全体的な解決を図る観点からも示談をすることは重要であるといえます。

お悩みさん

その可能性もあるんですね…。

請求されるとしたら、どんな費用が請求されるのでしょうか。

弁護士

一般的に、暴行や傷害のようなケースでは、交通事故と同様の損害について請求されることになります。具体的には、以下のような費用があげられます。

  • 治療費(通院交通費を含む)
  • 休業損害
  • 慰謝料
  • その他特別の損害等

これらは刑事処分とは別に、民事上で個別に判断されることになります。

こうしたトラブルにおいては、「示談交渉」と「不起訴処分の獲得」が重要なポイントになります。 弁護士が間に入ることで、よりスムーズかつ的確に対応することが可能です。

お悩みさん

ありがとうございます。

今すぐ、弁護士さんに依頼して、示談に向けた対応をお願いしたいです。

弁護士

刑事事件の対応は慎重に進める必要があり、進め方次第では相手との関係が悪化することもあります。できるだけ早い段階でのご依頼をおすすめいたします。

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