医療事故

2024/07/29

お悩みさん

25歳女性です。

右膝の手術のために入院していました。手術後、ベッドを温めるために高温の湯たんぽが入れられていたようですが、それに気づかずに足を入れてしまい、左下肢外側に熱傷を負ってしまいました。

熱傷自体は治癒しましたが、左下肢には約10㎝の痕が残っています。

この場合、慰謝料の請求はできるのでしょうか?

弁護士

それは大変でしたね。
しっかりと対応していけるように詳細をお聞かせてください。

医療事故に該当するのか

お悩みさん

事前に気付いていれば良かったのですが、術後のためか麻酔の影響か、熱さを感じることができませんでした。今回の場合は医療事故に該当するのでしょうか?

弁護士

結論からいえば、医療事故に該当する可能性があります。 

本件では、手術等の直接の医療行為ではなく、医療行為に付随する看護師の行為であり、診療契約における医療機関側が負う義務が問題となります。

本件において医療機関に求められる義務はどのようなものでしょうか。

医療機関は、入院を伴う診療契約において、入院中における安全を確保する義務を負ったうえで、結果(熱傷)を予見できたのか、また、結果(熱傷)を回避することが可能であったのかという観点から同義務違反があったのかを判断していくことになります。

今回についてみると、高温の湯たんぽは、布団を温めるという目的で置かれており、患者の足に直接当てる目的ではなく、直接高温の湯たんぽに患者の足が触れれば火傷することは明らかです。

また、看護師が通常は取り出しておくべきものを取り出し忘れたということで熱傷が生じており、そのようなミスがなければ当然に熱傷を負わなかったから、結果(熱傷)の回避が容易だったといえます。 したがって、本来適切な処置(高温の湯たんぽを取り出しておくこと)を行っていれば防ぐことができたと考えられるので、医療機関側が責任を負う可能性がございます

慰謝料請求できるのか

お悩みさん

そうなんですね。

であれば今回のケースはどのような請求ができるのでしょうか?
また、その場合はいくらくらい請求できるのでしょうか?

弁護士

そうですね。

医療事故と認定されれば、適切な治療を受けるための治療費が考えられますし、慰謝料の請求をできる可能性があります。

他にも、ご事情によっては、休業損害、通院交通費、入院雑費、付添看護費、逸失利益などが想定されます。

また、後遺障害と呼ばれる症状が認められることにより、慰謝料、逸失利益による金額は大きく変動します。

詳しくは、自動車損害賠償保険法施行令(昭和30年政令第286号)の別表1及び別表2として後遺障害別等級表記載されておりますので、ご参照してください。

本件の場合には、「下肢の露出面において手のひらの大きさの醜いあとを残すもの」(後遺障害別等級表第14級)に該当する可能性があります。

判断の難しい場面も多いので、お困りの際は、一度ご相談下さい。

お悩みさん

なるほど。

私自身傷跡もどうにかならないものかと悩んでいるところでした。

一度ご相談したいと思います。ありがとうごいざいました。

弁護士

ご自身で判断できない事や対応できないことは抱え込まずにご相談して頂ければと思います。

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